レ・ミゼラブル


お正月中に『レ・ミゼラブル 』を映画館で観ました。
子供のときに見た記憶もあるし、ロンドンでも劇場でミュージカルを観たのですが、内容がよくわからなかったので、今回『 レ・ミゼラブル 』が映画になったと聞いて、今度こそ内容を把握して楽しもうと思っていました。

全編セリフが歌だということは聞いていたので、あらかじめストーリーを読んでから観にいって正解。
場面がよく変わるので、ミュージカルもやはり最初にストーリーを把握しておくべきでした。
ミュージカルで戦争のシーンだと思っていたところも実は革命だったということも分かったし…。

シーンとして印象に残ったのは冒頭のシーン。
囚人たちが鎖につながれ、半身海に浸り、波を受けながら、歌を歌って船を引き上げているシーンで、とっても重厚で迫力がありました。
罪人と罪人を司る聖人(おそらくシャベールは自分のことをそう思っていると思うので)の差が恐ろしいほど出ていました。
このシーンを見ただけでも映画館の大きいが画面で見てよかった。
この冒頭のシーンとフォンティーヌの工場のシーンとコゼットとマリウス、エポニーヌの三重唱のシーンが好きでした。

それぞれの役が適役で、ジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマンとフォンティーヌ役のアン・ハサウェイの歌唱力と表現力が特に素晴らしかった。

ジャン・バルジャンは、お腹をすかせた姪のためにパンを一つ盗んで、19年間服役します。
仮釈放のときに食事を与えてくれた老司教の銀食器を盗みますが、彼の慈悲に触れ、自分を恥じて快心し、ジャン・バルジャンという名前を捨てることを決め仮釈放の紙を破きます。
8年後、マドレーヌと名前を変え人々から尊敬される市長として生まれ変わっているバルジャン。
人々に職を与えるため工場を経営し、貧しい人には施しを与える、聖人(こちらは、キリスト)のような人物になっているのですが、そこへ仮釈放の時に姿を消したジャン・バルジャンを執拗に追うシャベールが現れます。

老司教から許しをもらったことで、生まれ変わり人を許す人間になったバルジャンと「法を犯したものは、どんな理由があろうと悪」と考え、絶対に許さないシャベール。
改心し、聖人のように生まれ変わったにも関わらず、過去の罪のために、シャベールの影に怯えて一生を終えたバルジャンのことを考えると一体何が正しいのだろうか…と考えさせられました。

映画なので、もっと長くして詳しくして欲しかったな….という気持ちもあったのですが、映画としては、とても長かった。
12:30の回に見たので、本編が始まったのが12:45。終わったのが15:20くらいでした。
いっそのこと本編を3時間にして途中で休憩があった方がよかったような気もしますが、何はともあれ、全編大迫力のとてもいい映画でした。
映画館で観てよかった。
春にパリに行ったときに、レ・ミゼラブルの作家 ヴィクトル・ユーゴーの住んでいた建物に泊まったのを思い出しました。
★★★★


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