イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密


「イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密」を観ました。
ぎりぎり映画館で。

ベネディクト・カンバーバッチはBBCドラマ『 シャーロック 』でいつも見ているので、同じような天才をどのように演じるかも楽しみだったのですが、流石、カンバーバッチ、全く違った天才を演じていました。

第2次世界大戦下、解読不可能と言われたドイツの暗号機エニグマを解読したアラン・チューリングの実話を元にした映画です。
物語は、イギリスがドイツに宣戦布告した1939年、天才数学者としてブレッチリーパークの暗号へ招集され、エニグマ解読の為のコンピューターを作るというもの。
これは、国家機密です。
ここで起きていることは家族にも友達にも恋人にも話せません。

エニグマ解読後、国が個を切り捨てる行為が平然と行われている現実。
エニグマを解読したことをドイツに悟られないように救える命を切り捨て、エニグマを解読し国家を救ったアラン・チューニングさえ、国家機密を守るために切り捨てる。

エニグマを解読したところで終了していたら、こんなにショックを受ける映画ではありませんでした。

アラン・チューリングが亡くなったのが、1954年。
イギリスが性犯罪法を改正するのは、1967年。
チューリングの功績が公にされたのが、1974年。

アランは、子供のときから異質な存在としていじめられていました。
それを助けてくれたのが、同級生のクリストファー。
戦争映画だと思っていましたが『異質なものは、排除されるのか?』がテーマだったような……。
最後のシーンのカンバーバッチの演技が凄かった。
実在のアラン・チューニングに対する刑罰が酷かったので、見終わった後、とても重い気持ちになりました。

この映画の脚本家 グレアム・ムーアが、アカデミー賞脚色賞を受賞したときのことばです。

「16歳の時、わたしは自殺未遂をしました。
 自分は変わった人間だと、周りに馴染めないと感じたからです。
 でも、いまここに立っています。

 自分は、変わっている、どこにも馴染めないと思っている人たちへ。
 君には居場所があります。変わったままで良いのです。
 そして、いつか君がここに立つときが来ます。

 だからあなたがここに立ったときは、君が次の世代に、
 このメッセージを伝えて下さい。」


河村康輔 SUPER SUPER SUPER


i’m so happy to get this book ♡


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わたしはロランス


グザビエ・ドランの『 わたしはロランス 』を見ました。

ある日突然、性同一性障害を告白するロランスとその恋人フレッドの約10年に渡る物語です。

自分に正直に生きようと覚悟するロランスと恋人の意志を尊重しようと自分に言い聞かすフレッドの感情のずれ、周りの偏見もあり、次第に二人の心は荒んでいきます。
本当は愛し合っているのに、深いところで分かり合えない二人は別れを選びますが、その後もお互いを忘れることができず、再会、別れを繰り返し、結局はいつも同じところでぶつかってしまいます。

最初は、二人のノリと雰囲気のコロコロ変わる映像の流れついていけなくて、全く感情移入ができなかったのですが、フレッドとロランスが再会した辺りから二人の気持ちが分かるようになってきて、最後には心にずしっときました。

情報は殆どない状態で見たのですが、服装や髪型から1980年代の話かな?と思っていたら、途中1987年に二人が初めて出会ったというセリフがあったので、やはり1980年代、1990年代の話です。
1980年代はビビッドな色と肩パットと濃いメイクが特徴。
フレッドの髪型や服装が最初と最後でがらっと変わるので、この人のファッションを見るのもとても楽しかった。
( ロランスも変わります…..。)
音楽もシーンに合った懐かしい曲がたくさん流れていてよかった。

大量の水がたくさん降ってきたり、空からカラフルな洋服がたくさん降ってきたり、最後は枯れ葉が降ってきて、その時の主人公の気持ちを体現するものが上から降ってくるようです。
カラフルでパワフルな映像だったり、静寂の雪の映像だったり、色使いもとっても綺麗でした。

最初のシーンは、女装したロランスの目線の人々です。
異質なものを見るときの目ですね。
好奇だったり、卑下だったり、嘲笑だったり。

長い映画ですが、これくらい長くないと、私は、感情移入できなかったかもしれません。
切なくてじーんときました。
この映画の終わり方、とても好きでした。
「もう一度見ようかな…..」と思う終わり方です。

★★★★


森乃園


人形町の森乃園で、フォトジェニックなパフェではなく、わらび餅を食す。
美味しかった ♡




スー・ブラックウェル展 @ ポーラ ミュージアム アネックス


GWの夜に行ったせいか人がいなくて、ゆっくり見ることができました。
それぞれの作品が、黒い小さいお家の中に展示されていて、展示の仕方も可愛かった。
植物をテーマに作品を作成しているところが、流石イギリス人です。
今は、童話をテーマに作品を作成しているそう。
いつかナマで見たいと思っていたので、偶然見れて嬉しかった ♪


山口小夜子未来を着る人 @ 東京都現代美術館


日本人モデル、山口小夜子さんの奇跡を辿る展覧会『山口小夜子 未来を着る人』展へ行きました。
私が初めて山口さんを見たのは、多分、資生堂のポスターです。
初めて見た山口さんは、真っ黒なおかっぱに細くてつり上がった目に小さな赤い口紅、とても妖艶で同じ人間とは思えないほど美しかった。

杉野ドレス学校で洋裁を学んでいたときに同級生のモデルを始めたことや山本寛斎さんのスタジオで働いていたことがきっかけでモデルを始めたそうです。
デビューして2年ほどで世界で有名なモデルになっていて、各メゾンのマリエ(トリ)を飾ったそう。

山口小夜子さんの私物も展示されていて、好んで聴いていた音楽や集めていたもの、雑誌や中原中也のイラスト集など彼女の嗜好を知ることができます。
モデルをやっていたのは知っていましたが、途中から表現者として舞台等でもご活躍されていたんですね。
また、舞台衣装も手がけていて、その多才に、またそのクウォリティーの高さに脱帽。山口さんの舞台見たかったです。

山口小夜子さんのマネキンがたくさん並んでいるところで、マネキンの前に立つと本物の山口さんに上から見られているようでした。
遠目で見ると舞台を見ているようで、演出が素晴らしかった。

山口小夜子マスクをかぶった男性が福島原発の近くへ行った映像もあって、詩が心に刺さりました。きっと本物の山口さんも原発反対だったでしょう。

「山口さんて、すごい人だったんだな…….」と今日改めて思い知らせれて、これを知っていたら、お会いしたとき、緊張して話せなかったかもしれません。

山口さんには何度かお会いしたことがあります。

初めてお会いしたのは、ペーターズギャラリーの FRENDS展で。
山口さんは長年、ペーター佐藤さんのモデルをされていました。
その日は、ペーターさんの命日でペーターさんの仲間が集まっていて、ペーターズの講師をされたHRMの垂水ゲンさんも一緒だったので、気心の知れている垂水さんとケラケラ笑って話していらして、とても可愛らしい明るい方という印象でした。

次にお会いしたのは網町三井倶楽部で開催された Jean Paul Gaultier のショーのとき。
ショーのトリを飾るモデルで出演されていて、山口さんは、個性的なゴルチェの洋服を着ても、山口小夜子という存在感が圧倒的に際立っていました。
そしてこの日は、プロのモデルの顔をされていました。

その後も偶然お会いすることが何度かあって憶えて下さったので「次はいつお会いできるかな……」と楽しみにしていたので、亡くなったと知ったときは悲しかった。

リラックスして微笑んだ山口さんと一緒に撮った写真は、宝物です。


Marisol 3