スポットライト 世紀のスクープ


「 観てよかった。」というのが第一感想。

実話に基づいた映画です。

2002年、アメリカの新聞『ボストン・グローブ』がカトリック教会の神父による性的虐待を記事にするまでの話。

タイトルの「スポットライト」は、そのボストン・グローブのコーナーの名前です。

物語は、2001年、ボストン・グローブ社へ編集局長として着任したマーティ・バロンが、以前コラムに書かれたゲーガン神父の子供への性的虐待について調査し、記事にするよう提案するところから始まります。

始まりは、このゲーガン神父事件を調べる所からですが、調べていくうちにゲーガン神父に留まらず、ボストンだけでも13人は性的虐待をした神父がいるのではないか?ということになります。
実際はもっといるのですが….。
こうなると組織的に隠蔽していたのでは?となって、カトリック教会という組織の隠蔽体質の調査に切り替えます。

カトリック教会や教会側の弁護士や警察、裁判所と戦う記者たちの行動とカトリック教会が隠蔽してきた事実をこの映画で知ることができました。

アメリカの大統領選のときに「アメリカという国は、一つの国というよりも州ごとに全く違うのではないか?」と思ったことがあります。

マサチューセッツ州にあるボストンは、アメリカでも歴史の古い街だそうです。
アイルランド系とイタリア系の移民が多く、50%がカトリック教徒。
そんな街でカトリック教会の罪を暴くのは、きっと映画の中以上に大変だったと思います。
ときには、脅されたりしたでしょう。

いい映画+とても考えさせられる映画でした。

spotlight


ヴィオレッタ ( 映画 × ファッション )


映画の中の好きなファッションvol.6
今回は、2011年の映画『ヴィオレッタ』のアンナの衣装のイラストを描きました → vogueブログ

i wrote about a film ” My Little Princess ” and Anna’s costume → vogue japan ブログ


あの頃ペニーレインと


GUCCIのコレクションを見ていたら『あの頃、ペニーレインと』が見たくなって来て見ました。
ストーリーもファッションも音楽も最高!!

主人公は15歳のウィリアム。
ライターの才能を見いだされ、ローリング・ストーン誌のライターとして、ブレイク寸前のロックバンド” スティルウォーター “のツアー密着取材記事を書くことになります。
グルーピーの少女、ケイト・ハドソンへ一目惚れし、彼女のことが気になりながらもライターとして取材を続けます。
ジーンとしたり、笑えたり、とってもいい映画でした。

監督のキャメロン・クロウの実体験が映画になったそうです。
音楽があまりに好きでCDゲット。
今まで見た映画の中で一番好きだなー。

★★★★★


ナショナル・シアター・ライブ『ハムレット』( 映画 × ファッション )


ナショナル・シアター・ライブの『ハムレット』を観に行きました。
ーーーと、いう話をブログに描きました。 → vogueブログ
イラストも描きましたので、是非、ご覧下さい。

i went to the cinema to see ” Hamlet ” of National Theatre Live → vogue japan ブログ


SHERLOCK / シャーロック 忌まわしき花嫁


シャーロック 忌まわしき花嫁を映画館へ見に行きました。


キャロル(CAROL ) 2


前回に引き続き、映画『CAROL』について。
vogue blogでは、ファッションについてイラスト付きで描いています→ vogue ブログ

こちらでは内容について。

1950年代。
高級百貨店で働くテレーズ(ルーニー・マーラー)は、ブロンドの長身の女性、キャロルに目を奪われます。
視線に気づいたキャロル(ケイト・ブランシェット)。
テレーズへ娘へのクリスマスプレゼントの相談をした際、手袋を忘れていきます。
テレーズは、キャロルへ手袋を送り、そのお礼にとキャロルから食事へ誘われます。
キャロルは、現在、夫と離婚協議中。
週末も家に誘われたテレーズは、キャロル宅へ行くのですが、そこで夫からキャロルの新しい恋人と勘違いされます。
キャロルと離婚したくない夫は、キャロルの不道徳を盾に娘の親権をかけて裁判をすることに。
娘を奪われたキャロルは、テレーズを誘って休暇に出ます。

キャロルは見るからにハイクラスの奥様。
テレーズにも結婚を申し込む彼氏がいます。
ただ二人とも幸せそうに見えません。
会った瞬間に惹かれ合った二人ですが、キャロルはもともと幼なじみの女性と関係があったようですが、ストレートのテレーズも最初からキャロルに恋に落ちたのでしょうか…..?
この辺が謎ですが、彼氏からの誘いには引き気味なのに、キャロルからの誘いだと食い気味でOKします。

ファッションは勿論、音楽も映像もとにかく美しい映画です。

私は、ヒース・レジャーが好きなので、先日、久しぶりに『 ブローク・バックマウンテン 』を見たのですが、同性愛を差別する社会背景と二人の関係性が少し似ていました。

『ブローク・バックマウンテン』は、主人公のイニスとジャックが一時期、共同生活していたことがあったり、その後の人生もずっと見たので、二人の気持ちや二人の周りの人たちの気持ちも分かって、毎回心が切なさいっぱいになります。

今回の『キャロル』では二人がすぐに恋に落ちたようだったので、最初はなかなか感情移入ができず、頭の中が????だらけだったのですが、途中からいつのまにか感情移入していました。
途中、切なくてジーンとしました。

終わり方は『ブローク・バックマウンテン』も『キャロル』も両方とも好き。

またDVDになったら見たい映画です。


キャロル / Carol ( 映画 × ファッション )


映画『キャロル』 carol を観ました。ーーーーという話をブログに書きました。
キャロルのファッションのイラストも描いています。
是非、ご覧下さい → ヴォーグジャパンブログ

i watched a film “carol”.
i drew a picture of carol → vogue japan ブログ


バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)


アレハンドロ・イニャリトゥ監督の BIRDMANを見ました。

私は、この監督の『アモーレス・ペロス』と『21グラム』がとっても好きなのですが『バードマン』をすっかり見忘れていました。

久しぶりにDVDを借りに行けたので、4本借りてきました。
この監督の作品は、全体的にテーマが重くて、今回もそのような流れの映画かと思って見たらコメディーでした!!

『バードマン』って、主人公の後ろでずっと話している声からすると『バットマン』のことだよね?と思って、主演役者を調べたら、マイケル・キートンは初代『バットマン』。
大分年月が経っていて顔だけ見ても分からなかった…..。
これ、完全に自虐ネタですね。
ここで既に笑ってしまうのですが、一つ一つのセリフが笑える…..。
ナオミワッツは、出世作の『マルホランド・ドライブ』を彷彿とさせる役で、売れていない女優 & 突然のレズビアンシーン。

あの重いテーマを作る監督のコメディーは、やっぱりブラックコメディーでした。
印象的なセリフ満載。

「ブリキを着て大儲け。」(アイアンマンのこと)
「スマホの世界より現実を体験しろ.。」
「年代やプロットを勝手に変えるな。」
「ファラーフォセットは、マイケル・ジャクソンと同じ日に死んだ。運が悪すぎる。」
「ほめ言葉が愛だと思っているのね。」
「俺は有名人だから」「有名なのは映画だろ?」
「手軽にはまる低俗映画にバカが並んで金を払う。」
「目玉をくり抜いて、俺の目にして、その若さに戻って通りを眺めたい。」
「ハリウッド流見せかけの空しさだ。」
「絶頂期は1992年。役者名クイズになるのが関の山だ。」
「子供は、将来、ジャスティン・ビーバー」
「タイムズは忘れろ。世間は忘れてる」
「しゃべるまくる重苦しい芝居じゃない」
「新しい鼻がついた。イヤなら取り替えろ。メグ・ライアンの整形医に頼む?」
( メグ・ライアンの顔が変わり過ぎと話題になっていたので、このセリフが一番ブラックでした )

有名俳優が、ガウンがドアに挟まって、舞台に出るために繁華街をパンツ一つで歩かなければならない状況。
それを you tube にアップされ、1時間で35万回アクセスとか、舞台で必要なピストルを持っていなかったので、指でピストルとか、突然携帯が鳴って慌てるとか、想像の中で突然戦場になるとか笑えた…….。

演劇評論家の書いた文章をパブで批評家に批評するシーンも面白かった。
これは、酷評を書く批評家に役者が一番したい行為では?
出ている役者たちが最高。
ずっとドラムの音が流れているのも良かったー。

NYの演劇界はLAのハリウッドを下に見ているのかな?
どちらの業界人にも大ウケだったに違いない…….と思う内容でした。

「バードマン=演劇界の本音。」が私の感想。

面白かったー!!


007 カジノ・ロワイヤル


007『 スペクター』を観て、ダニエル・クレイグ版 007は、ずっとベースに『 カジノ・ロワイヤル 』の ボンドとヴェスパーの物語があるな………と思ったので『 カジノ・ロワイヤル 』をもう一度きちんと観てみました— 前回は絵を描きながらの流し見だったので…。

内容は、英国諜報部MI6の00の地位に昇格したばかりのダニエル・クレイグ演じるジェームス・ボンドの活躍を描くもの。

物語は、ル シッフルという男が、テロリストの資金を増やす取引をするところから始まります。
旅客機製造会社の株のカラ売りを仕込んだ上で、その会社が製造した新旅客機を爆破させ、巨額の利益を得ようというもの。

武器の売人ディミトリオスの妻ソランジュと接触し、ディミトリオスがマイアミへ行くこと知り、マイアミ国際空港で披露される新旅客機の爆破計画をMから入手したボンドは、ぎりぎりの所で爆破を阻止。
これにより、ル シッフルは、テロ組織の資金を無くし、命を狙われる窮地に陥ります。

テロ組織に返却する資金を取り戻そうと、数学に強い ル シッフルが、モンテネグロのカジノ・ロワイヤルで開催されるポーカーゲームに参加することに。
そして、その計画を阻止する為にボンドが、ゲームに参加します。

ボンドのカジノの資金は国庫から出るため、その資金の監視役として登場するのが、財務省のヴェスパー・リンドです。

ボンドとヴェウパーは、最初お互い懐疑的でしたが、一緒に過ごすうち惹かれていきます。
ボンドは「この仕事は、魂が腐っていく。」とヴェスパーのためにMI6を辞め一緒になろうとするほど。
ヴェスパーもボンドの誠実さに惹かれ愛し始めます。

以下 ネタバレです。

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カジノに勝利し、テロリストの資金を手にしたボンドは、ヴェスパーの口座へ送金をします。
銀行へ出かけたヴィスパーの留守中、Mから「送金はまだか?」と催促の電話が入ります。
急いでヴェスパーを見つけ追いかけるのですが、そこで目にしたのは、ヴェスパーが、ル シッフルへ資金を手渡す光景でした。

ヴェスパーには組織に人質としてとらえられた恋人がいました。
その恋人を救うため、ボンドから銀行のパスワードを入手し、資金を組織に渡したのですが、いつしかヴィスパーも本気でボンドを愛していました。

恋人を救うため、愛するボンドを裏切った自分が許せなかったヴェスパーは、海へ沈んでいく鉄柵のエレベーターに自ら鍵をかけ ” I’m sorry. James “と残して死を選びます。

初めて本気で愛した女性に裏切られたボンドの傷心が、心を氷のように固くし、新米007のボンドを強いものにしますが、ボンドの心の中にはずっとヴェスパーがいるよう。

それを暗示させるように、その後の『 慰めの報酬 』『 スカイフォール 』、今回の『 スペクター 』とヴェスパーを彷彿とさせるシーンがあります。

『 慰めの報酬 』では、幼い頃に大火を経験したことのあるカミーユが火に囲まれ震えているところをボンドが抱きしめますが、これは初めての死の恐怖にショックを受け震えるヴェスパーをボンドが抱きしめたシーン。

『 スカイフォール 』では、水の中へ沈んでいったヴィスパーと冒頭のボンドが水へ沈むシーン。

そして、最新の『スペクター』では、長距離列車でボンドとマドレーヌ・スワンが食堂車のテーブルで向き合い語るシーン、これはボンドとヴェスパーが初めて出会ったシーンと重なります。

ボンドのヴィスパーへの気持ちや00の仕事への疑問がクレイグ版ボンドにはベースにあるので、全体的に悲壮感を帯びていて、女性には響くような気がします。

私は、映像は『 スカイフォール 』が一番美しくて好きですが、物語は『 カジノ・ロワイヤル 』が一番好き。

『カジノ・ロワイヤル』と『慰めの報酬』は続きもので、007に成り立てのボンド、『スカイフォール』と『スペクター』は続きもので、ベテラン007のボンドです。

レア・セドゥはフランス語訛りのある英語ですが、ヴェスパー演じるエヴァ・グリーンはフランス人でも英語がとても綺麗なので何故だろう?と思ったら、幼少期にイギリスやアイルランドに住んでいたよう。フランスでは国内のアメリカンスクールに通っていたそうです。

もう一度、クレイグ版007を観なおしたら『 スペクター 』が深いものになると思います。

カジノ ロワイヤル


007 スペクター SPECTRE @ vogue japan ブログ


007の新作『 スペクター 』を見てきました!!

—–と、いう話をブログに書きました → ヴォーグジャパンブログ

今回のボンドガールは3人ですが、レア・セドゥとモニカ・ベルッチの似顔絵も描きました。

前回の『 スカイフォール 』の映像が素晴らしくて
” 今回もあの映像が観れるのか……..♡ ”
と、とっても楽しみにしていたのですが、オープニングクレジットの映像にタコが出てきて、映像に前のような美しさがない………。
葛飾北斎の「蛸と海女」のようになったり、六本木ヒルズにあるクモのオブジェみたいになったり…….. とあまりにも前回のスカイフォールのオープニングクレジットの映像と違ったり、その後も痺れるような映像がなかったので、見終わってパンフレットを見たら映像監督が変わってました 〜〜〜〜〜!!!

今回の映像監督も好きなのですが、やっぱり私はロジャー・ディーキンスの方が好きみたいです。

—–と、いう訳で映像は思っていたものと違いましたが、2時間半とは思わなかったくらいのめり込んで観ることができました。

『 スカイフォール 』はあまりアクションシーンがなかったのですが、サム・メンデス監督も大掛かりなアクションシーンを増やしたくなったのか、アクションシーンの割合がかなり増えていました。

内容は、ダニエル・クレイグになってからの007の敵が明らかになるというもの。
その敵もジェームス・ボンドの少年時代と繋がっていました。

ジェームスが何故007になったのか…..本当に007になりたかったのか……がこのダニエル版ボンドのテーマでしょうか。

初めて『 カジノ・ロワイヤル 』を観たときに仕事より恋をした女性の方を選んだので「え?007をこんなに簡単に辞めちゃうの?」と驚いたのですが、生い立ちを知ると、それも分かったので、また『カジノ・ロワイヤル』から観たくなりました。

今までのジェームス・ボンドを知らないのですが、ダニエル版のジェームスは女性にキュンとくる気がします。

007 SPECTRE